不動産

これから、定期的に日本の不動産を取り巻く話題を、当コラムで扱っていきたいと思います。

皆様のご要望によりランダムに、テーマを決めて日頃から気になっていることを書いていきますので、お楽しみください。
「是非、こんなテーマで書いてほしい」などのご要望がございましたらこちらからご連絡ください。
ご意見を頂ければ、そのテーマに関して調べて書いていこうと思います。

トピックス

今回のテーマは、「税金」に関してのお話しです。

堅い話題が多かったこのコラムの気晴らしに不動産とは関係の薄い話題で2023年の最後のコラムにしたかったのですが、先日漢字能力検定協会選で「今年の漢字大賞」の結果発表が行われ、年間大賞として「税」が選ばれました。漢字の成り立ちは、稲穂によって象徴される「作物」を人々の「口」に「ハ」配分する象形だそうです。そこで不動産と税は切っても切り離せないものなので、気を取り直して税金のお話しをさせて頂きます。但し、お堅い話は避けましょう・・・。

何だか年中行事になってきたような、「ふるさと納税のテレビコマーシャル」がテレビで流れると年の瀬を感じます。そもそも寄付金控除の制度を使って、所得税や住民税を本来決められた場所ではなく、別の課税主体に寄付をして税金の使い道の指定(未指定もありますが)をして有効に利用していただき、その寄付金の返礼を頂くという趣旨だったのだと思われますが、醜い返礼品提供競争・税金のぶんどり合戦になってしまわないようにしてほしいものです。この制度による税金の流出を嘆く自治体がある一方、思っても見なかったような税収の増加で潤い、庁舎の建替えや公のハコものを新築したりする「勝ち組」も出てきているようです。

本来、居住する自治体がしっかり、住民の満足する公共サービスをしていれば納税をわざわざ、縁も所縁もない自治体に単なる美味しいも目当てで寄付などしなくても良いのですが、税金を取られっぱなしで、満足できない納税者のせめてもの意思表示なのかもしれません。

「寄付金」繋がりで、話はどうしてもきな臭い話題になります。参加しもしない政党の集まりの参加費を多額に提供してその結果、領収書も要らない・しかも金額・資金使途も捕捉もされない自由度の非常に高い「実弾」を抱え込んで組織内の勢力を誇るようなセンセ達のしていることは、何だか強面の首領をトップにした怖い組織と何ら変わらないように見えます。実際変わらないのかもしれませんね。違いがあるとすれば、武器を合法的に持つ人たちを配下にするか・しないか?くらいかもしれません。

さて、今年の漢字と同様に『現代用語の基礎知識』選 2023ユーキャン新語・流行語大賞」も公表されましたが、大賞の「A・R・E」には驚きました。言葉が出てこないときに多用する「こ・そ・あ・ど」から始まる指示代名詞をそのまま選べなかったのでしょうね。その中で選外でしたが面白い言葉に「蛙化現象」というのがありました。もともとはグリム童話の「カエルの王様」が由来らしいのですが、意味としては「好きで好きでたまらない物に突然何かのきっかけで嫌悪感を抱き、攻撃する」ことの様です。「逆恨み」のような意味なのかもしれません。

ウクライナを執拗に攻撃するロシアも、グリム童話の主人公なのかもしれません。童話では「そして幸せに過ごしました。とさ」で終わるようですが、実際の戦役がどうなるのかに関しては目が離せませんね。

 

以上

 写真及び図はあくまでイメージで、本文の内容とは一切関係はありません。内容の一部に執筆者の個人的な意見を反映させておりますが、あくまで意見を述べており政治的な信条の強制などを目的としたものではありませんので、ご留意ください。

今回のテーマは、経済刺激策と不動産に関してのお話です。
年が改まると、日本銀行券も新しいデザインになりますね。新しい一万円札の顔になる渋沢翁は、「金は大事に使え、そして軽蔑しろ」と言ったとか言わなかったとか。軽蔑する必要は無いでしょうが、上手に回さずに滞留させて良いことは無さそうですね。

最近見なくなったものに、「期末公共工事」とか「緑色の公衆電話」がありますね。皆さんも年末の忙しい時期に、ただでさえ混んでいる道路を掘ったり埋めたりの工事による通行規制で、イライラされたような記憶があるのではないでしょうか?ガス管の工事なのか?単なる補修なのか?わからないまま、いつの間にかペタペタとそこだけ新しいアスファルトが張られた道路を眺めながら、「期末工事かぁ」とつぶやいたものでした。良くなったのは、携帯電話で連絡が出来るようになったことくらいでしょうか。工事をするにしてもそもそも、人が集まらないとしたら別の意味で困りものですね。

堅い話で恐縮ですが、学校の教科書などでは、家計、企業、政府を3つの経済主体として挙げますが、それぞれそれを維持する収入は、賃金(労働の対価)、収益(企業のサービスの対価)、税金(公共サービスの対価)であることは明白ですね。さて、それぞれその対価を得るために知恵を絞って努力をするのは、誰にとっても分かり易い事象ですね。

このお金の循環の中で、国が吸い上げた税金が効率的に使われなければ、経済活動の資金の流れが歪になり、人間の血液であれば「鬱血」状態になってしまいますね。その意味で、期末公共工事も溢血をさせない有効な手段であったのかもしれません。そもそも給与が上がらずに家計に十分な資金が廻らない状況を放置しながら、消費税の増税や緊縮財政を持ち出すことが現実的ではないことは、明らかなように思います。学校で教わらなくても、実際に社会に出てみれば体で覚えますよね。効率的に税金を使うなら、インフラの補修や災害時対応の電線の地中化などを少しでも進めたらよいのになぁと思いますが・・・。

さて、世界で一番の人口を抱える隣国では、誰も住めないような住宅が乱立し、頭を抱えているようです。少なくとも建設する際には活発な経済活動が行われ、(決められたとおりに賃金が払われているなら)経済を刺激したと思われます。但し、我が国の公共工事の比ではない規模と、そもそもその資金の出し手が住宅購入予定者であり、購入に際して貸し出される予定であった金融機関の融資であったなら、決して「公共事業」がもたらしたであろう経済効果と同様の効果を生み出さないどころか、社会不安の大きなマグマにならざるを得ないと思われます。

冷徹ではあっても、市場機能が効いている経済の復元性と、人治の極まった偽りの市場機能しか持たない国の違いが鮮明になってきているとしか思えません。もしかしたら私達は、大きなパラダイムの転換を目の当たりにしているのかもしれませんね。金が回りものなら、景気自体も世界を巡り回るものでしょうから、対岸の火事と思わずに準備と覚悟が必要かもしれません。

 

高層の養豚場や養鶏場を作る計画もあるとか・・・冗談話もスケールのでかい!!

 

どのような趣味の人が住むのでしょう。

 

以上

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(出展:国土交通省のウェブサイトから)

今回のテーマは、「災害時緊急予想道路と不動産開発」です。少し硬いテーマですね。

国、地方自治体などは不意に私達の生活に大きな影響を与えかねない災害に対して様々な施策をとっているようです。思わぬ大雨のニュースが珍しくなかった今年の夏場の「線状降水帯」や「害水氾濫・内水氾濫」などの普段は聞くことの無かった用語にもだいぶ耳が慣れてきてしまいますが、忘れるときにやってくるかも知れない災害には、事前の対策が必要です。

「首都圏外郭放水路」の整備などは、普段目にすることはありませんが重要な施策だと思います。

さて、もう少し普段の生活・仕事に近い所で進められている災害時の対策として、「緊急輸送道路」の整備があります。道路に掛かる橋梁の耐震工事や、緊急輸送道路の指定、隣接する建物の耐震工事・建替え工事への財政的支援がなされています。ビルの建替えなどを計画している方などには、有難い制度ですね。

(出展:東京都耐震ポータルサイトから)

こんな対策に税金は使ってほしいものです。

「天災は忘れたころに、やってくる」という格言がありますが、忘れなくても必ずと言ってよいほどにやってくる災害には、普段からの備え、心の準備が必要ですね。

年末のその季節が来ると「ふるさと納税」などがキーワードとして挙がってきますが、地方に思わぬ税収が転がり込んで、無用とは言われないまでも瀟洒な公の建物ばかりが出来上がると、本来の寄付金による税収の分配制度の矛盾点が出てきそうな予感がしてしまいます。

一旦自然災害やパンデミックが起こった時に、行政の不作為や頓珍漢な対応が被害を大きくしてしまう様な事にならないように、その立場の人達には心してもらいたいものです。「人災は、見えないところでやっている」

以上

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お弁当箱

今回のテーマは、「証券化商品と器」に関してのお話です。

弊社で多く取り扱っている不動産の証券化案件。英語ではSecuritizationと言われています。米国の専門家に言わせると、バランスシートの左側にあるもので、証券化出来ないのは「現金」だけだそうです。確かに通貨自体は国がその価値と円滑な流通を既に認めているのですから証券化をして流動性を持たせる必要はないでしょう。

実際に様々な資産が証券化されています。不動産をはじめとした有形固定資産、目には見えないけれども企業が持つ貸出債権、貸金業者が融資した債権も前述のABS(Asset Back型)の対比でMBS(Mortgage Backed Securities)と呼ばれています。

さて、不動産の証券化では資産流動化法(俗にいうSPC法)で規定されている特定目的会社(TMK)と、民法にその規定がある匿名組合を利用した資金を利用する合同会社(GK)が良く使われています。その他に、不動産特定共同事業により出資を募る手法もありますが、利用頻度は多くないようです

「形式は、その内容を規定する」という言葉を中学校か、高校の時に化学の先生に聞かされて意味が分からず、その後何十年も忘れていたのを思い出しました。今になって不動産の証券化に携わることとなったわが身には、形式(器)がその内容(投資対象)を規定するとなるとは、含蓄のある表現だと思われますが、その先生は「要するに、四角い籠のお弁当箱を買ってきた君たちのお母さんは、サンドイッチのような素材を念頭にしている訳で、決してスカスカの籠の中に肉汁の滴るハンバーグを入れないってこっちゃ」と言っていました。でも、今よく考えると世の中の色々な問題への示唆を与えてくれていると思います。

高校野球で、坊主刈りではないチームが活躍して話題になりましたが、高校球児たるものは青々とした坊主頭でなくてはならない。といった意見は、一度自分自身の頭の中に作った「器」が大事すぎて、それ以外の考え方が出来ないのでしょう。アスリートファーストなんて言いながら、〇〇〇連盟とか✕✕✕協会とかで、昔を懐かしがりながら仲間内で最近の若者はなどと人生訓の原稿でも書いているのでしょうか?「運動中に水を飲むのは身体に悪い!」って?あれ、なんだった?非科学的。

しかし乍ら、選手側にもこれから書く様な考え方があったとしたらもう一度考えた方が良いと思います。

  • 野球選手になりたい
  • そのためには甲子園で注目されたい
  • 甲子園に出るには、〇〇学園への入学が近道だ

これも、れっきとした固定化した既成概念のカチカチの器なのではないでしょうか?

「スポーツを通じて人としての成長の手段としたい」が、「このスポーツでプロを目指して将来稼ぎたい」

前者が手段で後者が目的。あまりに目的が中心になると、勝敗への拘りが強くなってしまい、スポーツマンシップより、勝ち負け。勝者になるためにはその手段を選ばず、試合の後まで負けを認めず会場に居座るような醜態に、清々しさなど微塵も感じられませんよね。

以上

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今回のテーマは、「セット販売」に関してのお話です。
前回の「優越的地位の乱用」に引き続き、公正な取引とは言い難い「セット販売」に関してのお話しをさせて頂きます。

お菓子に付いてくるオモチャ欲しさに、オモチャを母親にねだったのは、遠い過去の話です。お茶漬に付いてくる浮世絵を全て揃えて、仲間に自慢してその後どこかに消えていった思い出はほろ苦くもあります。

本来必要としない商品、本当は別のサービスを別のルートで独自に取り入れたいと思うようなケースで、抱き合わせでしか販売しないとか、一緒に消費することを強要されることがあります。具体的には、住居を探している際に更地になった用地を気に入って購入を検討していると、この土地の販売は「建築条件付」案件です。などと言われることがあります。

見た目の土地価格は、抑え目にして建築費で帳尻を合わせるような手法には気を付けたいと思います。公の機関からは注意事項として以下のような条項を更地の購入契約に盛り込むことを促しているようです。

  1. 建築工事契約の締結に一定の期限を設ける
  2. 建築契約の交渉が不調に終わった際には売買契約を解除できること
  3. 上記解除に際しては手付金等の金員を無条件で返還すること

気を付けたいですね。

購入に際して金融機関の融資を紹介されることがありますが、こちらも融資契約の締結が物件の販売をする際の条件などになっていないか?気を付けたいものです。資産運用を進める富裕層に対して、金融機関まで紹介して「優良物件」を販売して、更に当初2年間の賃料保証をします。といった嬉しいお話も怪しいと思う感性を持ちたいものです。新築物件には当初2年間(新築物件には特殊な需要があります)の賃料保証などあまり必要は無いでしょう。むしろ2年経過後の賃料保証の方がうれしいですよね。安普請で、調べてみたらあるはずの壁が無いとか、断熱材が不足して「夏は暖かく、冬は必要以上に涼しい」物件だったりしたら困りますからね。

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今回のテーマは、「優越的地位の乱用」に関してのお話です。

従業員を多く抱える企業が、必ずしも「大」企業だとは限りませんが、従業員数が組織の力の源泉であることは否めませんね。株式を上場して、何となく有名で「・・・をするなら、・・・で!」などと有名芸能人がテレビCMで会社名を連呼する。免許制度で寡占的な地位を認められている保険会社などが、人材まで動員してバックアップする。こんな組織と取引のある会社や個人が、「業務の請負を続けるには、この条件をのんでもらわないと・・・」や、「協賛金を出せないかなぁ?」とか「新規販売店オープンに協力をしてくれないかな」などと言われて断わりにくいのは明白ですね。

「ケシカラン会社だ!」と思う一方、そのケシカラ無さを自分の行動を顧みて良く考えてみると、大なり小なり人間の本性に潜んでいるかもしれない「魔性」に思い当たりませんか?

飲食業者の不手際を、大声で怒鳴りつけるモンスター系の「自称被害者」の深層心理には、「圧倒的に有利な状況でのスエモノ切り」がなぜ悪いといった意識が無いでしょうか?土下座を強要するに及んでは、魔性を通り越して「獣」の様な気迫すら感じます。

話を変えて、金融機関との交渉でも、妙な力関係を感じることがあります。本来預金者は銀行に対して金銭を預けている「債権者」なのでしょうが、それらしく扱われたことはありませんね。この頃少なくなりましたが、銀行送金の窓口では「整理券」などという便利な札を取らされて、さんざ待たされた揚げ句に、名前も呼ばれず番号の表示に従って誘導される。逆に住宅ローンの契約に際しては「債務者」というような隷属的な呼称で呼ばれ、長年かけて一度も滞りなく返済を終えた際には、特殊な郵便で何年も前に押した思えのある実印と、見覚えのある筆跡が弱弱しく「債務者」や「連帯保証人」の横に並んでいる書類が返送されてくる。おまけに、「念書」に捺印をして返送せよなどと紙っぺら一枚に書いてある・・・。

「念書」の内容は、抵当権の抹消を自身で行い、一切XX銀行には迷惑を掛けない・・・などと書いてある。

こんな手続きを「債務者」に強要している金融機関の立場を優越的地位と呼ばずしてなんと呼ぶのでしょうか?

公正取引委員会などといった立派な組織が、どんなに綺麗で見やすい案内を出しても、一人ひとりに「この対応は、オカシクないだろうか?」といった意識が無くならなければ、このような問題は、根絶できないのではないでしょうか?c

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丁半賭博

今回のテーマは、「ゲーム」に関してのお話です。

「絶対に負けないゲームが有ったら良いのになぁ?」と思ったことはありませんか?同時に、「カジノを経営している筒元は、天才的な博才をもった人間が現れたらメチャクチャ損させられるのかな?」といった疑問を持ったことはありませんか?

そこで、こんなことを考えてみました。ルールとして

  1. 博打の筒元は、勝負を挑まれたときに無条件にその勝負(確率のゲームと言ってもいいかもしれません)を引き受けるとします。
  2. 天才博徒は、いつでもゲームを終了して勝ち逃げが出来るとします。

こんな単純な想定でも筒元(以下プロモーターと言いましょう)は、資本の調達力が無制限大であれば、決して負けないでしょう。なぜなら、天才ではないゲームの参加者がある限り多くの資金の流入(要するに負けるゲームの参加者)が期待できるので、一時の大きな負けは回収できるからです。要するに確定する「負け」が無いからです。先の大負け(天才プレーヤーの大勝)も、希望に満ちた新たなプレーヤーへの参加への効果的な宣伝にもなるのではないでしょうか?喜んで大負けを宣伝するようなことも考えられます。よって、きっちりしたゲームでの必勝法は、資本力かもしれません。外国に借金の無い、又は少ない中銀が破綻することは無いのと似ているかもしれません。

さて、政治経済の話題です。

ある開発途上の国(法治、人治及び情治でもいいのですが、そのテリトリーでは課税方法を始め政治的な決定を、ある特権階層がほぼ自由に効率的に決められる地域)で、経済運営ゲームを開始したとします。ゲームの途中でそのルールを為政者は自由に変更出来て、参加者はそれに対して一切異議を唱えられない。その国には、他のテリトリーのプレーヤーが羨ましがるほどの(未成熟ではあるが)巨大な国内市場がある。

こんな国が、巨大マーケットへの参入を目指す先進的な国々から技術移転を条件に参入許可を上手にコントロールして資金を流入させて、遅れた国内のインフラを整備して何年にもわたり成長させてきたとしましょう。コストの安さから経済運営は上手くゆき、富の象徴の不動産価格が人口増以上のペースで上昇するのは明らかです。しかしながら、経済にも大海原にも付き物の「波」にさらされたときに、未熟なプロモーターは、永く資本主義経済の浄化作用に苦しみながらそれに対処する術やルールを決めてきた先進地域の英知を持たないがゆえに、勝手にその地域のルールを変えてしまうとか、自分勝手な手法を駆使して問題を糊塗しようとしても、その地域外から参入してきたプレーヤー達の冷ややかな反応に対して賢明な対応が期待出来ない以上、少なくとも一旦は、先進地域の投資家がそのゲームから資金の撤収するのを目の当たりにせざるを得ないでしょう。

不幸なのは、そんな環境でゲームのルールに盲従してきた参加者達でしょう。幻の繁栄を「享受できる」と思い込んでいても、未熟なプロモーターの変心によって途中まで上手くいっていたゲームが「無効」にされたり、本来であればとっくに清算されているような、プロモーター主導で育ててきた「幻」の大企業・大不動産開発業者の破綻を隠されたり、勝手に税金などを使って延命させられるような環境では何を信じたらよいのやら。

都合の悪い経済統計に対しては、一方的に発表しなければ、「無かったこと」、「無問題」なのですから始末に負えません。

冒頭の「絶対に負けない魔法のゲーム」は世の中にあるかどうかは分かりません。しかしながら、その次に掲げた未熟な国の経済発展ゲームには、終了(ゲームセット)が最善とは言わずとも、次善の結果をもたらすのではないでしょうか?。

「天命が改まる」ことを「革命」と呼ぶようですが、マーケットの浄化作用が及ばない特殊なテリトリーでは、困窮する人民のみが世を回天させる原動力なのかもしれませんね。
そんな国が目下対処すべきは、周辺国の軍事行動などよりよっぽど内なるマグマの膨張なのかもしれません。もう一度歴史を紐解いてみたいものです。

「賢者は歴史に学び、愚者は経験に溺れる」含蓄のある言葉ではないでしょうか?

以上

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今回のテーマは、箸休めで弊社がその本社を置く「神田」に関してのお話です。

神田には、驚くほど多くの町名があります。以下まとめてみたいと思います。

神田の町名一覧

筆者が、その中でも言葉の響きが良いと日頃から思っているのが「美土代町」です。美土代町の名前は(水田=みとしろ)から来ているようです。なんだか「江戸」を連想させる話ですが、町名が決まったのは明治時代の様です。でも「代」とは何か?苗代?漠然と場所を示す?漢字の成り立ちから想像すると、元々は「田」でなかった土地を水田に代えたのかもしれませんね。調べてみると、伊勢神宮(いせじんぐう)への初穂(はつほ)を育てる水田「みとしろ」があった故事があるようです。港区の「三田」も元々は「美田」だったのかもしれません。

江戸時代を更に遡って、縄文や私達の土地の先住者の言葉でも「尻(シリ)」は、大地を意味するそうです。

更に、神田地区の他の町名を観察してみると不思議なことに気が付きます。

  1. 名前は似ているか同一のものでも、別に扱っている町名
    • 鍛冶町と神田鍛冶町
    • 岩本町と神田岩本町
  2. 一丁目が無くて、いきなり二丁目がある
    • 神田司町
    • 神田多町
  3. 「東」はあるけど「西」が無い。又はその逆
    • 神田西福田町
    • 神田東松下町
    • 神田東紺屋町

やはり、歴史のある地名・町名が多く職業や生業がそのまま地名になったと思われるケースが多く、昔の生活を想像すると地図を見ているだけで楽しくなってしまいます。

山の手に行くと又違った趣向の地名に出会えて、楽しくなります。感覚的には地形の名称が多くなっているように思われます。「谷」、「坂」、「袋」、「沢」・・・。コロナの最中に、ゆくところが少なくなってやたらと散歩が増えた方も、ちょっと地図を眺めて散歩の経路を楽しんでみてはいかがでしょうか?

次回は、不動産のみならず企業が気を付けなくてはならない「優越的地位の乱用」といった少し硬いテーマにしたいと思っています。

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今回のテーマは、「お化け・幽霊」です。

不動産業界で共通の用語ではありませんが、仲間内でよく使う俗語を使って「この案件、お化けじゃないだろうな」とか、「やっぱり、幽霊だった」とか言われる案件に出くわします。

ウィンチェスターハウス

所有者が、本当に売却の意思を固めていない段階から「売却案件情報」などと称した書類が出回り、価格のアイディアなども取り敢えず記載されているような案件で、検討に値するような案件かもしれないと思い、追加情報を出してほしいと情報元に確認してみると、「確認しましょう」といった返答から、「確認中」・・・「売主は長期、海外滞在中で帰国後に・・・」とかなんとか連絡が疎遠になったあげく、「売り止めです」なんて話になり、売却に関する意思など、そもそもあったのか?疑問になり、脚の無い「お化け」だったのではないか大いに疑問であるというような案件です。

特に売却案件の乏しい時期によく出てくる現象です。夏のじめじめした時期であるとは限りません。

さて、「お化け」物件ではなく誰でも見に行ける本当のお化け物件が世の中に存在していることをご存じでしょうか?観光名所にもなっています。残念ながら、日本人にとっては少し遠方にある物件です。所在は米国カリフォルニア州サンノゼの525 サウス・ウィンチェスター通り。建築主もわかっています。地元では『ウィンチェスターハウス』と呼ばれているそうです。

建築主は、銃のビジネスで成功を収めた実業家ウィリアム・ワート・ウィンチェスター(ウィンチェスター・リピーティングアームズ2代目)の未亡人、サラ・ウィンチェスターという人で、銃の製造で成功したファミリーの一員ですが「夜な夜な、銃で殺された人たちが、亡霊になって現れるので、女史の寝室にたどり着けないように」という目的で、一年365日、24時間迷路のように部屋を増築して、ついには本人が死亡するまで数十年をかけて、百数十室の居室と数十の寝室を建設したそうです。現在は、観光目的で見世物になっているようです。

私にも、何者かに追われて逃げるけれども、どこに隠れても見つけられるような怖い夢を見た経験がありますが、最期まで毎日そのような夢を見て、しかもそれが恐ろしい亡霊に襲われるというようなものだったとすれば、気の毒な話ですね。

以上

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木造家屋

今回のテーマは、「地面師」に関してのお話しです。

皆さんには、何かの企画を担当して多数の関係者に対して「是非、知っていてほしい情報を共有したい」しかも確実に、迅速にといった経験があるのではないかと思います。

会社の企画には使えないかもしれませんが、迅速・確実な情報伝達のテクニックとして、「内緒だよ!」「ここだけの話なのだけど」といった前置きが、極めて効率的なことをご存じだと思います。このテーマの題目に「ここだけの話」と書きましたが、このワードでこのコラムを読んでみようかな?と思っていただいたとすれば嬉しい限りです。

さて不動産情報を取り扱っていると、実際に色々なケースに遭遇します。

  • 「売却したいのだけれども、周辺に知られたくないので秘密裡に話を進めてもらいたい」
  • 「所有者は、売却に反対であるけれど関係者である私が話をまとめるので水面下で条件を詰めましょう」

等といったご希望から実際のやり取りがスタート。

仲介業者としては、独占的に「ここだけの話」を扱う事が出来て、しかも誰もが羨ましくなるような大型案件。嬉しいことではありますが、気を付けないと怪しげな話の片棒を担ぐ羽目になってしまいます。実地調査をしても、廃業した施設であったり広大な土地で地図を見ながら、その境界も確認できないような「一時頓挫した開発種地」であったりして話の真贋などはそれだけで分かりようもなく、提示された書類を見て府に落ちずに悩んでしまったような経験があります。

実際に「プロの不動産関連会社」が話を進めてしまい後に新聞で詳細が語られるといったケースも少なくないようです。

不動産取引ではありませんが最近、海外から便利な通信機器を利用して組織的に犯罪を企図する輩が現れていますが、共通するのは、人間に内在するであろう(特に日本人には大切な)「恥」の概念や、不動産取引であれば往々に感じる「所有者の機嫌を損ねたくない」といった妙な「配慮・忖度」があるのかもしれません。「書面の信用力」や、偽造されても頼りたくなるような「登記制度」、地面師の描いたストーリーに沿った「キャスト」が現れて、もっともらしい演出が見事に演じられて、一見辻褄の合わない話の内容に「腹落ち」してしまい、報酬で雇われたキャストに哀れみまで感じたりする。事件になってから「種明かし」をされて高い授業料だと反省してももう遅いですね。

そんなことに巻き込まれないようにするのは、どうしたら良いでしょうか?黄金則は無いと思います。偽造された書類は、本物の書類より綺麗にできているでしょうし、ストーリーは事前に完璧に練り上げられているはずです。唯一利用できる対抗手段は、「時間」の利用と輩が時に見せる「スキ」を観察することではないかと思います。

輩たちは、時間が掛かってしまう事には神経質になるでしょうし、取引の最中に真っ当な担当者が新たに現れて、それまで繰り返し聞いてきた面倒な「疑問」には嫌悪を示すと思います。最終段階で、「では、いつ頃決済しましょうか?」といった話になったとして、輩に安堵の色が現れるかもしれませんよ。「フ―」とでも息を吐かないか?注意してじっくり見てみてはいかがでしょうか?

「決済前に、もう一度最初からおさらいしてみたいと思います」なんて言う事になって相手が血相を変えたとしたら、「本物の地面師」かもしれませんよ。

映画の1シーン

映画「大脱走」で、脱走を企てる兵士が、偽造のパスポートを見せながら敵国の言葉を流暢に話し、じゃあOK!「では、気を付けて!」とドイツ語で最後に言われて流暢なドイツ語で話してしまったシーンを思い出します。

一方、「事実は小説より奇なり」というような妙な真実もあえますね・・・
色々と経験を重ねて眼力を養いたいものです。

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神宮外苑の銀杏並木

今回のテーマは、「歴史的建造物」に関してのお話です。

聴きなれない法律は数々ありますが、建物の保存に関しては、「文化財保護法」や、「景観法」、はたまた「古都保存法」などの法律があります。そもそも、新しく建物を建築する場合には、「建築基準法」がありますね。

さて、日本にはたくさんの歴史的建造物が存在します。明治維新を境に、それまでのある意味「因習的」な社会制度に変革が必要になり、同時に社会インフラにも大きな「改良」が行われました。それまでの、日本的建造物が「悪」では全くないので、敢えてカッコつきの「改良」と表現しました。

さて、そんな中「歴史的建造物」などを保護すると同時に、現代の住環境や仕事に影響を与えないように、きめの細かい法律や条例が定められています。

最近話題になっているのが、神宮外苑の銀杏並木の景観を保存しながら、如何に不動産開発を行っていくかの議論がなされているようです。

電柱

銀杏の並木は、建造物ではありませんが、全体としての景観を保存しながら乱開発にならないような知恵が必要だと思われます。議論を尽くして後世にその功績を残せるようにしてほしいものです。

さて、以前筆者が新宿にある土地の再開発案件を駆け出しの担当者として扱っていた時に、「この土地には、高さ制限があり、ある階数以上の建物は立てられない」と指摘されて、どのような規制があるのか?調べても一向にその規制にたどり着かずに恥を忍んで先輩に教えてもらった条例があります。東京都下にある文化財保護を目的とした条例があり、対象になる文化財である歴史的建造物とは、全く関係が無いように見え、距離も直線距離で数キロ離れていた土地の高さ制限になっていました。要するに、新宿駅近くのビルが、外苑前にある絵画館の背景に入り込んでしまい、景観が保てないといった内容でした。

東京都が指定する「歴史的建造物」には、大学の校舎、小学校の校舎、橋、水門、戦火に耐えた木造の料理屋、神社、病院、邸宅、学校の正門など様々な建造物があり、ホームページで確認ができます。

不動産を取扱う業種の人間として、どんな案件にも「歴史」があり表面的な情報から掘り下げて観察する必要があることを痛感しています。外国人が日本を訪れて、皇居周りの景観を見て美しいと感じたり、浅草の有名スポットで写真を撮ったりするのを見て、景観の保全の意味を再確認できますね。

神宮前の再開発に関しての議論が建設的なものになることと、何年か前の都知事選挙で「公約」されたはずの「電柱の地中化」が忘れられずに進んでいることを期待します。

以上

 写真及び図はあくまでイメージで、本文の内容とは一切関係はありません。内容の一部に執筆者の個人的な意見を反映させておりますが、あくまで意見を述べており政治的な信条の強制などを目的としたものではありませんので、ご留意ください。

試掘作業

今回のテーマは、「包蔵地」に関してのお話です。読み方は「ホウゾウチ」です。

皆さんは、新聞やテレビなどのニュースで、「・・・古代の土器のかけらが出土しました。」とか「・・・戦国時代の遺構が発見されて、試掘調査が行われています。」といった報道を耳にしたことがあると思います。

出土物

国民の共通の歴史的資産である、地中から見つかった土器、瀬戸物や、集落の遺構などが勝手に掘り起こされて、歴史の検証の機会が永久に失われてしまう事が無いように、埋蔵文化財を包蔵(ほうぞう)する土地の開発に制限がなされています。詳細は「文化財保護法第93条第1項」を読んでいただくと詳しくご理解いただけると思います。

仮に、「文化財」が出土した場合には、土地の所有者や開発業者は文化庁長官への報告義務と、対象地域の教育委員会による試掘への協力義務があります。各地の教育委員会には、過去のデータの蓄積から「文化財が埋設している可能性の高い地域」を予め指定して、公表している地区があり、そのような地域を「包蔵地」と呼んでいます。「包蔵地」に指定されていない地域でも歴史的埋蔵物が出土することがありますが、こちらも関係機関への届け出が必要で、試掘が必要になった場合には、その間(最大3か月とされているようです)は開発工事をストップすることが求められるようです。

自分の住んでいる土地、や関係する土地から古の遺物が出土して現代と古代・近世の出来事に夢が膨らんだりしたらそれは、楽しいものになると思いませんか?急いで工事をしたい場合には、多少イライラするかもしれません。ご興味のある方は、各行政機関のウェブページを調べてみると、案外近くに包蔵地が指定されていることに驚くかもしれません。

自分の家の土中から、怪しいものが出てこないか多少心配ですが。

以上

 写真及び図はあくまでイメージで、本文の内容とは一切関係はありません。内容の一部に執筆者の個人的な意見を反映させておりますが、あくまで意見を述べており政治的な信条の強制などを目的としたものではありませんので、ご留意ください。

登記済証

今回のテーマは、不動産登記に関しての疑問です。

皆さんは、「地目」って聞いたことがあるでしょうか?マンション(正しくは、区分所有建物)の登記簿には、マンション全体の敷地に関する権利の部が記載され、それに続いて各区分所有部分(マンションの一室部分)の権利が登記されています。敷地の地目は、恐らく「宅地」でしょう。マンションの購入者は、この「区分所有登記法」なる、比較的新しい法律によって、その所有権を第三者に対抗する要件を備えているので安心ですね。

しかし、一方で「不動産登記には公信力が無い」という不穏な情報もあります。これは、「あくまで不動産登記は、登記権利者の申請内容を公示するものであって、真実の権利関係と登記の記載とが異なっているときは、仮にその記載を信用しても、これを保護することができない。」という内容です。登記内容を見て安心しても良いけれど、完全に信用をしても、国はその内容を保証してくれないというのですから、やはり不安は残りますよね。

アメリカの土地

アメリカの場合、完全な所有権は「保険会社」が所有者に対して発行する「タイトル保険」がありますが、日本の様に古い歴史が無い国なので、制度としての登記に頼らないお国柄なのでしょうか。

さて、冒頭の「地目」に関しての話題です。

土地の登記をする際に、どんな形態の土地であるかを表現するために「地目」が記載されることは、冒頭のマンションに関して述べました。

因みに、「地目」は、以下の23項目があります。別の言い方をすれば23しかありません。
田/畑/宅地/学校用地/鉄道用地/塩田/鉱泉地/池沼/山林/牧場/原野/墓地/境内地/運河用地/水道用地/用悪水路/ため池/堤井/溝/保安林/公衆用道路/公園/雑種地

「溝」なんていう登記を見たことはありませんが、「墓地」は何度か見たことがあります。売買の対象にして取引をしたことはありませんが・・・。

ゴルフ場は、ゴルフ場として登記したいといっても出来ません。どう見ても駐車場でも、駐車場として登記することもできません。

妙な疑問ですが、河川とか、湖とかは登記できるのでしょうか?この川は私のものだという事は出来るのでしょうか?

沼・ため池

詳しい議論は別にして、過去の判例から「水面より下に存在する土地は、誰も独占的に所有権を主張出来ない」との学説があるようです。先述の登記地目には「沼」や「ため池」などがありますが、矛盾しないのでしょうか? 詳しくは承知していませんが、自然の水流による河川は「公水」、人為的に水をためた場合は「私水」という区別をするようです。

「外国資本が水源を独占して、国家安全に問題だ」といった議論がありますが、自然の河川や湖などの公水を排他的に所有は出来ないように思われるので、水源の独占は出来なそうなので少し安心してよいかもしれません。

少し安心しても、夜寝られなくなってしまう「地下鉄漫才」の様に、細かいことを考えだすと、寝られなくなります。

  • 湖が干上がって、誰も登記していない湖底なんかが現出すれば、早い者勝ちか?
  • 湖底に沈んだ集落が、渇水で湖面から現れた時は、誰のものか?
  • 自然災害で河川の流域が変わってしまい、れっきとした財産で有った田んぼが河川になってしまった場合、所有者はただ泣き寝入りするのか?

寝られなくなるでしょ。

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広い敷地

今回のテーマは、公拡法です。一般には中々聞きなれない名前の法律ですが、1972年(昭和47年)に交付された法律があります。この法律が目指すものは、「・・・地域の秩序ある整備と公共の福祉の増進に資することを目的とする」だとされています。

先日、ある団体が首都近郊の土地を、使用目的は未確認ですが何らかの目的の為に食品を製造していた企業から購入したものの様です。公拡法では、一定の面積・条件を超える場合には、その不動産が所在する都道府県に譲渡内容(譲渡先、対価当)を届け出することが求められています。弊社が関わる物流倉庫の開発などでも、この届け出がなされているケースが大半です。

都道府県は、「公園、避難場所確保」など公共などの使用目的で対象となる不動産の買受を希望する場合には一定期間、優先的に買い取り交渉をすることが出来うる事になっている様です。筆者のこれまでの経験で、実際にそのような交渉に立ち会ったことはありません。契約後に公拡法の届け出・買い受け交渉の期間を使って、買い受け希望が無いことを前提にファイナンスの交渉をして決済の準備を済ませておくことが普通でした。

廃屋

話を少し変えましょう。「空き家問題」や、不動産相続に際して「相続不動産の現物納付」が話題になっています。相続した不動産に俗にいう「上物」、要するに建物が残存していない場合の課税が更地の評価になってしまい、利用しなくても建物を取り壊すメリットがないことも、空き家問題の根源の一つになっているようです。

さて、金融面の話題としては「異次元の金融緩和」による大量の資金が企業のみならず民間にも供給されています。一案ですが、もう少し国、地方自治体は今回のテーマの公有地の拡大の推進を目的として資金をマーケットに供給出来ないのか?と思います。何ら裏付けの乏しい資金供給で、企業は結果として資金を貯めこみ、バランスシートの左上の「現金及び現金の同等物」を膨らませて、配当にも給与にも回さないので、PBRの計算上割り算の分母は膨らむ一方、先のみ込める設備投資もせず、分子のProfitがさえない。よって、PBRが中々向上しない。業種ごとにばらつきはあるでしょうが、皆が同じような行動をとってしまえば景気が良くならない。これを合成の誤謬というのでしょうか?各企業は厳しい環境に備えて正しいと思われる行動をとっているとは思いますが。

公園

さて、話を不動産に戻して、公有地の代表的なイメージとして皆さんの家の近くにあるであろう「公園」の話をしてみたいと思います。不動産を扱っていると空き地を見ると、あたまの中でマンションを建ててみたり、商業店舗開発をイメージして賃貸するなり、分譲するなりのシナリオで、価格のイメージをしてしまいます。しかしながら、公園をそのままにした場合には、どうやって価格(Price)を出したらよいか分かりません。当然、収益が無いので議論のしようもありません。しかしながら、公園に価値(Value)が無いなどとは思えませんし、先ほどイメージした価格(Price)が遠く及ばない価値(Value)があるように思えてなりません。

計算

何でも価格(Price)に置き換えて「成長」に邁進してきた世代としては少し反省をしなければならない時期に来ているのかもしれません。近くにコンビニエンスストアが無くても、駄菓子屋でお菓子やアイスクリームを買って、「空き地」で暗くなるまで草野球や泥遊びをしていた世代としては、貧しくても「夢」がたくさん有ったように思います。

「公園」で思い出しましたが、最近カズオ・イシグロの脚色で現代版にリメークされている「生きる・Living」の原作では、橋本喬が演じた主人公がおっかない風貌の開発業者から守ったのは、「公園」でした。新しいリメーク版も楽しみに観てみたいと思います。

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集合住宅

先日、「日本の島を買い取った!」と言って、自身のSNSに動画を載せたことに対して、日本のメディアが、何やら「ケシカラン問題だ」というような意識の醸成をしていたように記憶しています。更に別の日には、特定の団地・アパートに日本語が通じない特定の地域からの居住者が集まり、ゴミの収集や日頃の居住管理に必要な行政の手続きが滞るといった喫緊の課題などもニュースになっていました。

ゴルフ場

さて、今回のテーマである外国資本・外国人の土地取引量やシェアーに関して、実際に資料を調べてみましたが、正確な統計資料は見当たりませんでした。代わりに不動産業界のアンケートなどの結果からは、実需の住宅の購入から始まり、リゾートやゴルフ場のM&Aなどでは、やはり外国資本の存在感が大きくなっているようです。

弊社で取扱いをしている不動産の開発型証券化などでは、グローバル企業が日本全国で進めている商業不動産(オフィスビル、住居、ショッピングセンターや物流施設など)の開発資金の一部を国外からファイナンスしており、大きな意味で外国資本による不動産保有なのかもしれません。

集合住宅

翻って1980年代のバブル景気の勢いで、日本資本が外国の不動産を積極的に購入していたことを考えると、不安感・危機感だけを感じなくても良いのかもしれません。むしろ、日本の経済の先行きが見通せず、今後外国からの人・資本が不動産への投資に対して妙味を感じないような状況に陥ってしまわないかの心配をしておいた方が良いかもしれません。しかしながら、冒頭で紹介したような、治安が悪くなり怖くて近づけないアパートに対しては、行政による積極的な対応策が必要であろうことは明白でしょう。

ガベル

日本には大正15年に施行された「外国人土地法」という極めて古い法律があり、土地の権利については、相手先(個人・法人)が属する国が(日本人・日本法人に)制限している内容と同様の制限を政令によってかけることが可能である。といった内容になっているようです。国と国との相互主義といったところでしょうが、実際にそんな政令が出たことは聞いたことがありませんね・・・。

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(連絡先)
ストラクチャード・ファイナンス部

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